
2026/1/28
医療職99名に聞いた「本当に欲しい福利厚生」ランキング
看護師として働くとき、「お給料」や「シフト」ほど目立たないものの、日々の働き心地に関わるのが福利厚生です。今回、医療施設で累計3年以上勤務経験のあるクーラ利用者99名にアンケートを行い、「実際にどんな福利厚生があったのか」「あったら嬉しい制度は何か」を確認しました。ここでは、その結果をもとに、“現場で本当に評価される福利厚生”のポイントを整理します。
※クーラ看護師ユーザー調査(2025年5月実施)
福利厚生が「そもそも無かった」職場が76.8%

まず、これまで勤務した医療機関で福利厚生サービスが導入されていたかを聞いたところ、「はい」23名に対して、「いいえ」が76名と大きく回りました。
全員が3年以上の勤務経験を持つ層であることを踏まえると、「福利厚生があること自体が当たり前」とは言えない実態がうかがえます。
特に、小規模な病院やクリニックでは制度そのものが整備されていなかったり、あっても周知や活用が十分でなかったりするケースが目立ちます。
この結果は、「福利厚生が充実している職場」と「そうでない職場」の差が、現場感覚として大きくなりやすいことも示していると言えそうです。
【福利厚生の有無(全件)】
●あり:23名(23.2%)
●なし:76名(76.8%)
合計:99名(100.0%)
導入されていても「使われない制度」評価が高いのは医療費還付

福利厚生が「ある」と答えた23名に具体的な内容を聞くと、外部の福利厚生サービス(リロクラブ、ベネフィット・ステーション)や、宿泊・レジャー施設の割引、医療費還付、院内処方フリー、化粧品割引などが挙がりました。
一方で、「中途入職者には使い方の説明がなかった」「法人独自プログラムはFAX申請が面倒で一度も使わなかった」といった声も複数見られ、制度と実際の利用とのあいだに“運用ギャップ”があることが分かります。
そんな中で導入希望制度として最も多く挙がったのが「医療費還付」(14名)でした。自由記述でも「月1万円まで還付される制度があり、実際に一番使った」「生活の固定費が下がるのがありがたい」といったコメントが寄せられており、金額的なインパクトよりも「毎月確実に軽くなる負担」が評価されているようです。
【福利厚生の具体例(複数回答・抜粋)】
●外部サービス:リロクラブ8名/ベネフィット・ステーション5名
●宿泊施設・レジャー施設割引:6名(ただし「存在は知っていたが使わなかった」という声も)
●医療費還付:3名(導入希望としては14名と最多)
●院内処方フリー:2名(処方料・薬剤料の自己負担が無料)
●化粧品割引:4名(ドクターズコスメ割引など)
●その他:グループ内施設割引(FAX申請の煩雑さから未使用の声あり)
「割引があれば嬉しい」サービスは、生活動線に近いものが上位

「割引があれば福利厚生としてかなり評価するサービス」を聞くと、もっとも多かったのはカフェ・ファストフード(51名)でした。ブランド名として、スターバックス、マクドナルド、吉野家などが挙がっています。
これに続いて、動画サブスクリプション(48名/Amazonプライム、U-NEXT、Netflix など)、フードデリバリー(45名/UberEats、出前館など)が上位に入りました。いずれも、ハードな勤務の合間や帰宅後に「すぐ使える」「日常的に目にする」サービスである点が共通しています。
さらに、フィットネスジム(32名/LAVA、エニタイム、カーブスなど)や整体(31名/ラフィネ、ホットペッパー掲載店など)といったセルフケア系のサービスにも一定のニーズが見られました。これらは、単なる“お得感”ではなく、疲労やストレスをケアする手段として求められていると考えられます。
【割引があれば嬉しいサービス(複数回答)】
●カフェ・ファストフード:51名
●動画サブスク:48名
●フードデリバリー:45名
●フィットネスジム:32名
●整体:31名
●レジャー(テーマパーク等):14名
●ファッション:7名
●コンビニ:7名
●電子マネー(Quoカードpayなど):2名
自由記述に表れた、暮らしに合った支援へのニーズ

自由記述のコメントでは、「寮や家賃補助など、とにかく生活の固定費を大きく下げられるものがありがたい」「基本的にご飯はコンビニやテイクアウト。割引があれば助かる」といった声が繰り返し見られました。
ナースシューズやナース用品を自費で頻繁に購入している実態に対し、「なぜここに福利厚生的な割引がないのか」という疑問も挙がっています。
ピアボーナス導入については「有効だと思う」が61名と多数を占め、「スタッフ同士のコミュニケーションツールとして活用できる」「頑張りが認められるとモチベーションが上がる」といった前向きな意見がある一方、「送った送らないでひがみが出ない仕組みが必要」「月数百円程度では価値を感じにくいのでは」といった慎重な声も寄せられました。
また、「仕事の一環で自費の研修・学習コンテンツを受講したことがある」人は17名にとどまり、「日々の業務や義務的な研修で手いっぱいで、自費受講まで手が回らない」という実感も書かれています。こうしたコメント全体から、“生活と仕事の負担を減らしつつ、無理のない範囲で成長を支える仕組み”へのニーズがにじんでいると言えそうです。
本当に求めているのは「暮らしと仕事を軽くする福利厚生」
今回の調査から、医療職が本当に評価している福利厚生は、豪華な特典や特別なイベントよりも、「毎日の暮らしと仕事の負担を少しずつ軽くするもの」であることが見えてきました。
医療費還付のように固定費を下げる仕組みや、カフェ・フードデリバリーなど生活動線上で使いやすい割引、フィットネス・整体といったセルフケアの後押しが、その代表例と言えます。
一方で、制度があっても「知らない」「申請が大変で使わない」といった運用面の課題も明らかになりました。看護師として新しい職場を考えるときには、「どんな福利厚生があるか」だけでなく、「それが自分の生活にフィットしているか」「実際に使いやすいか」という視点を持つことが、働き続けやすさを見極める一つの材料になるかもしれません。
医療機関側にとっても、今回のようなデータは、復職支援や定着促進を考えるうえでのヒントになります。現場の生活実態に寄り添った福利厚生を設計できるかどうかが、これからの採用・定着を左右する重要なポイントの一つになっていくと考えられます。



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